- 平成15年度モデル事業 (東京都福祉保健局)
-
補助金の対象は以下のように限定されていた。
- 対象はあらかじめ決められたモデル地区 (15年度は区中央部医療圏) のみ
対象地区は年度ごとに1地区ずつ増やす予定。
- 共同利用型(ASP)型電子カルテを新たに導入した診療所へ利用料の半額
ASP型に限定した理由は「安いコストで利用できる」ということだった。
東京都医師会としては、このような条件では会員にとってメリットは感じられず
普及をはかるという目的は達せられない。
- 特定の電子カルテに限定すべきではない
- 都内全域を対象とすべき
- システムの普及と推進にはインフラ基盤整備への補助こそが重要
- 現状の補助条件は結果的に特定の企業へ補助するためでしかない
特に補助金は 利用料という「消費」へではなく、
基盤整備のような「生産的」部分にこそ補助しなければ有効に機能しない、
と繰り返し主張してきた。
しかし、予算がこのような条件でとられたため変更は不可との回答。
平成15年度モデル事業の詳細はこちら
- 東京都医師会 独自の予算で HOT project を実施することに決定 (平成15年)
-
「特定の電子カルテへの限定」や「地域の限定」は東京都医師会事業の目的にまったくそぐわず、
肝心の基盤整備自体への補助はまったくない。 したがって、 本プロジェクトは「基盤整備をはじめ基本的に東京都医師会の予算で実現する」 方針で進めることとなった(このようなプロジェクトを医師会負担で行った例は全国でもこれまでない)。
東京都医師会は「HOT プロジェクト」
に包含するいろいろなサービスの one of them として「モデル事業」を位置づけ
都に協力するが、参加は
あくまでも会員の自主選択による。
このような経緯で 基本構想書 の内容とは大分異なってきた部分がある。
- 平成16年度モデル事業 (東京都福祉保健局)
-
東京都医師会の前年度の主張を受け、 補助条件が以下のように変更された。
- 対象はあらかじめ決められたモデル地区 (16年度は区中央部医療圏と南多摩保健医療圏)
- 共同利用型(ASP)型電子カルテを新たに導入した診療所へ利用料の半額
- ASP型以外の電子カルテも対象とする
ただし補助金額は「ほっとライン」との接続料について月5000円以内
条件はわずかに広がったが東京都医師会としては、さらに交渉を継続。
結果的にはASP型電子カルテの利用料が
個別に電子カルテを買う場合より高くなったこともあり、
モデル事業への参加者はほとんどなかった(広域のASP型電子カルテには
高いセキュリティーが必要で、
本体よりセキュリティーへの費用がかさむことになる)。
モデル事業の詳細については上記を除き、ほぼ平成15年と同じ。
[PDF] 東京都福祉保健局ホームページ
平成16年度モデル事業資料
- 平成17年度モデル事業 (東京都福祉保健局)
-
従来の補助要件では会員にとってのメリットは極めて少ないため、
モデル事業への参加希望者はほとんどなかった。
このようなこともあり、
ようやく都は経年にわたる東京都医師会の要望を受け、
補助条件が以下のように大きく緩和された。
- ネットワーク構築に要する経費(以下の金額を補助対象として
実際にはその半額を補助。対象期間は2年間。*は掛算)
この補助事業は医療連携を目的のひとつとするので、
医療連携を行う2施設以上の医療機関(病院でも診療所でも可)
のグループとして申し込む必要があり、期間終了時には
このモデル事業について検証結果を報告する必要がある。
- 電子カルテシステムの利用または賃貸(リースなど)に要する経費
「総額72万円」あるいは「10万円 * 参加月数」のうち少ない方
- 電子カルテシステムの購入に要する経費
診療所1カ所あたり電子カルテ購入費用に対し「総額144万円」
- 「ほっとライン」利用に要する経費
診療所: 1万円 * 利用月数
病 院: 1万円 * (病床数を100で除した数の端数切上)* 利用月数
- 「ほっとライン」へ接続する通信回線の利用料
6千円 * 利用月数
- 検証に要する経費
「ほっとライン」を介した「診療情報開示・医療連携」を検証するための実支出額
(会議費やアンケート費用など)
今回の変更で、東京都医師会のこれまでの交渉内容は
「基盤整備への補助」以外ほぼ実現された。これで医療機関にとっても
魅力あるものになったと考えられる。